内科、循環器、糖尿病、甲状腺、小児科、皮膚科、心療内科などの総合クリニック|笠井クリニック|加美平、福生駅

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糖尿病

糖尿病外来

国民の5人に1人が糖尿病を抱えている状態です。
白川医師(日本糖尿病学会認定糖尿病専門医)と院長が主に担当します。
白川医師と院長の得意とする分野なので、総合的にアプローチすることが可能です。
糖尿病の診断と治療は日本糖尿病学会編著(2022-2023)糖尿病治療ガイドを参考に行っています。

糖尿病は現代の車社会、カロリーの取り過ぎ不規則な食事、遺伝性、ウイルス感染などの原因で増加の一途をたどっています。糖尿病は腎臓、神経、眼の合併症をともないます。
まず食事、運動で頑張っていただきます。それでもなお血糖のコントロールがよくない場合は少量の内服から始めます。インスリンの注射にならないように食事と運動が第一です。しかし、糖尿病のタイプによってははじめからインスリン注射が必要な方もいらっしゃいます。そのような方には血糖の自己測定もふくめてご丁寧に指導させていただきます。

クリニックのスタッフと共にいっしょに頑張りましょう!

糖尿病とインスリン

ところで、現在糖尿病は内分泌の病気と位置付けられておりますが、インスリン(糖尿病はインスリンの膵臓からの分泌低下あるいは筋肉や肝臓や全身のインスリンの効き目が落ちることによって発症します。)は膵臓の外分泌液(この中には食物の消化にとって必要な酵素群が含まれています。)から抽出され発見されました。またインスリンを分泌する膵臓のランゲルハンス島は1869年ドイツのベルリン大学の医学生、パウル ランゲルハンスが解剖実習中に膵臓の中に小さな細胞の塊を発見したのが始まりです。
膵臓は消化になくてはならない臓器です。したがって糖尿病はインスリンという内分泌液の病気ではありますが食物の消化吸収と栄養の病気でもあります。

院長はこの糖尿病と消化器とのつながりを長年にわたり研究してきました。
内科大学院の博士号は糖尿病患者さんの胃運動障害についての研究でした。

そのような側面から腹部超音波にてその場で肝胆膵脾腎の検査を行います。
当クリニックでは即時にグリコヘモグロビンが測定できますので糖尿病であるかどうかの診断が5分で判ります。

消化器と糖尿病

参考までに糖尿病と消化器の関係については以下のようなことが解ってきました。
糖尿病では消化器の異常はいろいろありますが、おもなものは次のようなものです。

便秘

便秘はしばしば見られます。便秘の原因の一つに自律神経障害からきた大腸の運動低下があります。規則正しい食生活と、便意をもよおしたら我慢しないですぐに排便するなどの習慣が大切です。食物線維を多くとるのも一つの方法です。それでも便秘の続くときは下剤(緩下剤)を用いてもかまいません。

下痢

下痢は自律神経障害の強い人(とくに長期間血糖コントロール不良の人)に多く見られ、このため、ますます糖尿病のコントロールが乱れてしまいます。ふだんから血糖のコントロールを良くしておき、下痢の場合には水分の補給を十分に行いましょう。また、下痢による低血糖の注意が必要です。

胃の運動障害

糖尿病の人では迷走神経障害を原因とする胃運動障害と胃酸分泌障害のため、食物が胃にもたれ十二指腸へ送られるのに時間がかかる人がいます。このような人では食物の消化と吸収が一定ではないので血糖のコントロールが悪化します。とくに自律神経障害のある人に多く、このような人は食事を少しずつ何回にも分けて食べることにより血糖コントロールの悪化を防ぐことが出来ます。とくに1型糖尿病の人では膵臓からのインスリン分泌がほとんどないので、注射されたインスリンの皮下吸収速度のみだれと胃運動障害による胃から小腸への食物排出遅延が血糖コントロール悪化の原因になります。この現象に対しても治療を行います。
インスリン依存型糖尿病における胃排出機能の食後早期血糖変動への影響-J-Stage(PDF)
この論文は院長が日本糖尿病学会誌に寄稿した論文です。ご興味のある方はクリックしてご一読ください。

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脂肪肝

肝臓に中性脂肪がたくさんたまったものを脂肪肝といいます。
これは、糖尿病合併症から起きることのほうが多いです。

ですが、節酒や体重減少、血糖のコントロールなどで改善します。

糖尿病に合併する病態として恐れられている NASH(非アルコール性脂肪肝)は、脂肪肝と思って様子を見ていたら知らない間に肝硬変、肝細胞癌になってしまいます。
その早期発見のため、笠井クリニックでは迅速に腹部エコー検査(超音波)を行っています。
脂肪肝と診断された方へ(PDF)

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胆石症

胆石症は中年の、とくに女性に多く見られます。胆石症の人は、胆のう炎が続発する場合がよくあります。

糖尿病の消化器に関する症状

消化器系のすべての部分は、糖尿病の影響をうけています。その胃腸症状は、便秘、腹痛、悪心、嘔吐、下痢、便失禁などがあります。糖尿病の患者さんは、しばしば、無症候性の消化管異常も伴います。
糖尿病の消化器系機能障害は、糖尿病それ自体からも起きますが、糖尿病合併症から起きることのほうが多いようです。
糖尿病神経障害は、胃腸管の運動異常、悪心、嘔吐、腹痛症候群を起こします。また、糖尿病性血管障害は、腸管虚血の病因と考えられています。

糖尿病における腹痛

糖尿病性ケトアシドーシスを起こすと、腹痛、嘔吐がしばしば起こります。これは、胃拡張と腸のイレウスによるものではないか、と推定されています。
慢性の腹痛は、糖尿病性感覚神経障害の結果として起きるもので、押さえつけられるような痛みや、鋭い痛み、時には焼け付くような痛み、突き刺すような痛みが見られます。

糖尿病では消化管運動の障害が生じて低運動性やさらに無緊張(アトニー)を生じますが、これは迷走神経障害と消化管平滑筋そのものの障害によるものです。

糖尿病における咽頭と食道

咽頭と食道の運動異常は、糖尿病患者さんでしばしば見られます。

逆流性食道炎やカンジダ性食道炎など

カンジダ性食道炎は、糖尿病にともなう易感染性のためにおきます。糖尿病性胃運動障害の患者さんでは、胃緊張低下と胃の残留物の増加が見られます。これは糖尿病性迷走神経障害から起きることが多いです。

胃の内容物の排泄遅延

これは、胃収縮の不活発化や幽門の痙攣が関与しているものと思われます。この病態を糖尿病性胃麻痺といいます。迷走神経障害が軽度のうちははじめに胃からの固形食の排出が遅れます。迷走神経障害が重度になると液体食の排出も遅れてきます。これは院長が発見した現象です。このようになると糖尿病の血糖コントロールが悪化してきます。この結果、悪心、嘔吐といった症状が見られます。
また糖尿病では胆石の合併も多く、これは肝臓でのコレステロール合成が増加しており、糖尿病そのものが異常な胆汁を分泌するのではないか、さらには胆嚢運動つまり胆汁の蓄積と排出の機能障害があるといわれています。